第11話 脱出計画
投稿日 2023.06.30 更新日 2023.07.01
亡国の幼い王女に行く当てもなかった
無意識に凸や荘へ足が向き
少しだけ開いていた窓の隙間を見つけると
そこから山荘内へ入り込んだそうだ
酒酒は泣きながら話を続けた
困惑するA子⋯
「とりあえず、腹減っとるやろ。なんか食うか?」
うなずく酒酒⋯急遽、厨房で火を入れるA子
「かつ丼定食でも作るか」
鍋の油加減を見つめながら考える
明日の朝にでも酒酒を警察へ連れて行き保護してもらうか⋯
だが、こんな小国が大国の王女を守り切れるだろうか。不安が残る
やはり、安全な第三国の大使館に保護してもらうか⋯
ガトー公国なら確実に保護してくれるだろう
しかし、国際社会情勢と言う名の大人の事情に幼い王女を託すには抵抗があるし
いずれかの国へ亡命するにしても
恒華を必ず通り抜けなくてはならず移動には高いリスクが伴う
反対隣のユセリアは変な国で恒華とは犬猿の仲だ。その王族ともなれば⋯
「やっぱり一番近くにいるアイツや」
A子はスマホを取り出すとどこかへ電話をかけはじめた
トゥルルル♪トゥルルル♪ガチャ☆
《誰ぇええええ?こんな夜遅くぅうううう》
「夜遅くすまん!!うちや、A子や!!頼みがある大王!!」
どうやら電話の相手は閻魔大王のようだ
とりあえず、カツを揚げながら事情を説明する
《ふむ、あいわかった。わしがその可愛い子ちゃんを保護しよう》
「おお!!さすが大王!!話が分かる!!てか、お前⋯変なことすんなよ」
《大丈夫じゃ!!安心しろ!!わしが魅力的な大人の女性に育てる》
細い目になるA子⋯
そんな感じで酒酒の脱出計画が練られ始めることになる