第14話 建国宣言

投稿日 2023.07.02 更新日 2023.07.02

A子はいつも通り快諾する
この弁護士の青年の鬼とはすっかり顔馴染みとなっていた
ちなみにであるが⋯地獄の沙汰は裁判所そのもので
弁護士をつけることができたのだ
その後、事務室へ戻ると
酒酒が青い顔をしてテレビをじっと見つめていた
クーデターの首謀者は信頼の厚かった周登宇将軍だったのだ
そして、酒酒の母であり⋯
事実上、恒華の支配者であった日西土后は捕らえられ
すでに処刑を実行した旨を伝えていた
対象は日西土后にとどまらず、酒酒の一族は皆処刑となっていた
その後、高らかに恒華人民共和国の建国が宣言された
「周、周登宇⋯信じていたのにぃ⋯」
心配していたことも的中した
恒華からピータン王国への空路も陸路も
すべて閉鎖したことも伝えていた
ピータン王国にいる酒酒を第三国へ逃さないためだろうか
A子は酒酒からリモコンを奪取り
テレビの電源を切った
「ええか、お前は今後、閻魔大王の養女として生きろ」
「・・・」
「聞け!!間もなく地獄から迎えがやって来る!!」
「・・・」
「とりあえず変装が必要や!!うちの服に着替えろ!!」
A子が茫然とする酒酒を両手で揺さぶり続ける
すると⋯何やらロビーの方も騒がしい様子であることに気づく
廊下に出て見ると
昨日の巡査がフロントの前におり
山荘の従業員に何か聞き取りのようなことをしていたのだ
次の瞬間、A子を見るなり近寄って来た