タルパ戦争 File46 将来の夢

投稿日 2024.07.16 更新日 2024.07.16

 B子が嫌らしい目つきでサマン博士を見つめる。

「今、こいつを自由に使わせてくれたら、この先⋯⋯軍でいろいろ便宜を図ってやるぞ」

「えええ、それって⋯⋯贈収賄みたいなものは?」

「固いこと言うな!金品の授受は一切しとらんぞ。このくらいで罪には問われん。うちも未来を見てみたいわ~」

「いや、絶対にダメです!」

 サマン博士の叫び声を無視するが如く、ポクシーはダイヤルのようなものを操作し始めた。

「やっぱオレ、空母の艦長になってるっしょ!」

「いや、お前じゃ空母の艦長は無理や!せいぜい、教官止まりや!」

「じゃ、今から確かめて見ますか?オレの今の年齢から考えて⋯20年後くらいに大きく花開いていること間違いなし!」

 ポクシーが機械に向かってそう楽しそうに話し続ける⋯⋯

 一方、B子はサマン博士に対してバックドロップの技をかけ、床に抑えつけていた。悶絶するサマン博士⋯⋯

 無人偵察機のコントロールパネルの画面に⋯⋯

 どうやら、20年後の世界と思しき光景が映し出されていた。

 そこは⋯⋯

 B子やポクシーが所属する航空基地だった。

 B子はサマン博士を押さえつけながら、コントロールパネルをチラ見する。

「なんや、うちらの基地やんか!あんま変わっとらん様子やな」

「そっか!オレ⋯⋯基地司令になってるんだな!ちょっとがっかりだけど、それでも大出世じゃん!きっとオレは大佐様か准将様だな!」

「あーそれ、ないない」

 B子がそっけなく否定する。

       :

 一人のエルフの美少女が、駐機中のF/A-18Eの操縦席に座っていた。どうやら士官学校を卒業したばかりの新人パイロットの感じだ。

 キャノピーは開放されて、ヘルメットを外していた様子から、着陸後の様子に思われた⋯⋯

 そこへ一人のスケベそうな男性パイロットが近づく。階級章から少佐のようだ。なんか、ナンパでも試みるような感じで話しかけていた。

       :

「わははは!!ちょ、お前!!20年経っても少佐止まりか!!どうやら、うちの言ったとおりやな!!指導教官でもやっとる様子やな!新人パイロットに手を出すんじゃないぞ!!」

 B子が大きな笑い声を上げる。