タルパ戦争 File46 将来の夢
B子が嫌らしい目つきでサマン博士を見つめる。
「今、こいつを自由に使わせてくれたら、この先⋯⋯軍でいろいろ便宜を図ってやるぞ」
「えええ、それって⋯⋯贈収賄みたいなものは?」
「固いこと言うな!金品の授受は一切しとらんぞ。このくらいで罪には問われん。うちも未来を見てみたいわ~」
「いや、絶対にダメです!」
サマン博士の叫び声を無視するが如く、ポクシーはダイヤルのようなものを操作し始めた。
「やっぱオレ、空母の艦長になってるっしょ!」
「いや、お前じゃ空母の艦長は無理や!せいぜい、教官止まりや!」
「じゃ、今から確かめて見ますか?オレの今の年齢から考えて⋯20年後くらいに大きく花開いていること間違いなし!」
ポクシーが機械に向かってそう楽しそうに話し続ける⋯⋯
一方、B子はサマン博士に対してバックドロップの技をかけ、床に抑えつけていた。悶絶するサマン博士⋯⋯
無人偵察機のコントロールパネルの画面に⋯⋯
どうやら、20年後の世界と思しき光景が映し出されていた。
そこは⋯⋯
B子やポクシーが所属する航空基地だった。
B子はサマン博士を押さえつけながら、コントロールパネルをチラ見する。
「なんや、うちらの基地やんか!あんま変わっとらん様子やな」
「そっか!オレ⋯⋯基地司令になってるんだな!ちょっとがっかりだけど、それでも大出世じゃん!きっとオレは大佐様か准将様だな!」
「あーそれ、ないない」
B子がそっけなく否定する。
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一人のエルフの美少女が、駐機中のF/A-18Eの操縦席に座っていた。どうやら士官学校を卒業したばかりの新人パイロットの感じだ。
キャノピーは開放されて、ヘルメットを外していた様子から、着陸後の様子に思われた⋯⋯
そこへ一人のスケベそうな男性パイロットが近づく。階級章から少佐のようだ。なんか、ナンパでも試みるような感じで話しかけていた。
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「わははは!!ちょ、お前!!20年経っても少佐止まりか!!どうやら、うちの言ったとおりやな!!指導教官でもやっとる様子やな!新人パイロットに手を出すんじゃないぞ!!」
B子が大きな笑い声を上げる。