第46話 拘束

投稿日 2024.02.05 更新日 2024.02.05

 夕菜は草むらの中をかき分けるよう進む⋯⋯

 すると、突然、目の前に一人の幼女が現れた!いや、現れたと言うより、夕菜を待ち構えるように立っていたのだ。

「よぉ」

 C子が下三白眼のいやらしい目つきで夕菜を見つめていた。これに驚く夕菜⋯⋯思わぬ出来事であったため、声すら上げることができなかった。

「お前、明晰夢使いか?」

「えっ!!なんでそんなこと分かるんですか!?」

「この島の夢を見る目的は何や?なんか気になるわ。教えろ」

「えっと、別に悪いことじゃないんだけど。あのね⋯⋯」

 直後、夕菜は背後から体をいきなり持ち上げられ、大男らしき人物の肩に上に腹ばいになる形で抱え上げられた。

「ちょっと!!何すんの!!離してぇ!!」

「お前、ちょっと、うちらに付き合えや」

 C子はそう言うと、無線機で部隊に撤収命令を下す。

 大男らしき人物は人間ではなかった。抱え上げられる際、動物の毛のようなものが顔に当たったため⋯恐らく、ウサギかネコの獣人だろう。まぁ、C子に同行していた百戦錬磨の先任伍長である。

「お前、ホンマ、何しにこの夢を見とる?」

 歩きながらC子は再び尋ねた。

「ポ、ポンスケと邂逅するためなのですぅううううう!!」

 夕菜は少し泣きそうになりながらC子の質問に答える。

「ポンスケぇ?まさか、そいつ⋯⋯ウサギの獣人のことちゃうか!?」

「えっ!!なんでそんなこと分かるんですかぁ??」

 C子は立ち止まり、細い目で下から夕菜の顔を覗き込む。

「なんぞ、ホンマにいろいろ聞きたいことがあるな~あ」

 そして、再び、C子と先任伍長が歩き出す。砂浜へ出ると、他のチームとも合流して、沖合に停泊中のはまぐりからの迎えを待つ。

 ゴムボートがやって来ると、先任伍長は夕菜をその中へ放り込んだ。流石に夕菜もこれにはキレた。

「ちょっと!!女の子なんだからもっと優しくしてよ!!」

「今からポンスケのところへ連れて行く」

 C子がそう言いながら、夕菜に続くようゴムボートに飛び乗った。

「えっ!?」

 驚く夕菜⋯⋯

「お前、あっちの世界では何しとる?」

 C子は船外機のスターターロープを引きながら尋ねた。