第03話 美少女の誘い

投稿日 2023.06.25 更新日 2023.06.26

部屋まで案内するA子
「まぁ~人生いろいろや。三途の川、無事に渡れよ」
「ここから三途の川までどのくらいですか?」
「歩いて6時間くらいの山道なるな」
「登山⋯苦手だな」
「そう言うヤツのために飛行機でもあの世へ行けるぞ」
「・・・」
複雑な面持ちになる岩凪
それを察してか⋯A子は岩凪のケツをポンと軽く叩く
部屋の鍵を岩凪に渡すと、後は無言で去った
ベットの上に寝転がる岩凪
しばらくの間、天井を見つめ前世での出来事を振り返る
生前は自宅の部屋を化学実験室に改造して奇薬の研究開発に没頭していたのだ
ある日、飲むと目の前に美少女が出現する幻覚剤を開発したのだが⋯
想定ではチベット密教のタルパのように現実感を保ったまま楽しめるはずだった
しかし、思いの他、強力な効き目で前後不覚となり
現実感を完全に喪失
からかうように逃げ回る幻惑の美少女を追いかけるため
岩凪は酔っ払ったおっさん状態で
そのまま外へ出てしまい
線路上に立ち
手招きをする美少女を再び見つけると
そちらへ突進した
「裕さん!!好きよ!!チューして!!」
大きく両腕を広げ
岩凪を待ち構える美少女
直後⋯
プォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
キキキーーーーー!!ドン☆
大きな肉の塊が叩き衝かれる鈍い音が鳴った