第93話 カスタマーサポート
千夏はカスタマーサポートへ問い合わせることにした。
「あ、もしもし、なんかスマホが壊れたみたいなんですけど」
《はい、では、具体的にどのような症状でしょうか?》
「よん、よんぜろさん、ふぉーびででんってブラウザに表示されて、インターネットに接続できなくなりました」
《⋯⋯》
「もしもし?」
《あの⋯⋯お客様、他のWEBサイトもご覧になれませんか?》
「あ、いえ、そこまで確認してませんけど」
《あの⋯⋯お客様、大変申し上げづらいことなんですが、403 Forbiddenはアクセス拒否の意味でして⋯⋯恐らく、そのサイトはお客様だけがご覧になれない状況かと思われます》
「なんで私がそんなことされなくちゃいけないんですか?原因と理由を教えてください!」
《あの⋯⋯それはお客様とそのサイト運営者様との問題になりますので、弊社では対応は致しかねます》
「ちょっと!意味わかない!」
《ですから、お客様のスマホは正常に動作しております。サイト運営者の連絡先にお問い合わせ頂き、お客様ご自身で解決なさるようお願いします。弊社では対応は致しかねます。宜しいでしょうか?》
「宜しくない!」
千夏は大声でがなり立てる。
直後⋯⋯
パシ☆
「痛っ!」
千夏は後頭部を強く平手打ちされた。
「おい、うるせぇーぞ!明日も朝早い!はよ寝ろ!」
後ろを振り向くと岩鉄が立っていた。
「ちょ、お父さん!ちょっと待って!今、電話会社に電話していたの!このスマホが壊れたみたいなの!」
「はぁ?壊れてるスマホで通話できるかボケ!」
《お客様?もしもし?お電話切らせてもらいますね!ガチャ☆ツーツー》
岩鉄は千夏の胸倉を掴み、2~3発ほど頭突きをして気絶させると、背負い投げでもするかのようにベットに叩きつけ、そのまま寝かしつけた。
「たくっ、このバカ娘が!」
パチン☆
部屋の明かりも消された。
「ねぇ~あなた!今ものすごい音しましたけど⋯⋯家壊さないでくださいね」
「あーすまん、千夏がうるさいんで黙らせただけだ」
こうして⋯⋯
巨大掲示板「たらばがに」オカルト板での誹謗中傷がピタリと止まった。