第93話 カスタマーサポート

投稿日 2024.03.07 更新日 2024.03.07

 千夏はカスタマーサポートへ問い合わせることにした。

「あ、もしもし、なんかスマホが壊れたみたいなんですけど」

《はい、では、具体的にどのような症状でしょうか?》

「よん、よんぜろさん、ふぉーびででんってブラウザに表示されて、インターネットに接続できなくなりました」

《⋯⋯》

「もしもし?」

《あの⋯⋯お客様、他のWEBサイトもご覧になれませんか?》

「あ、いえ、そこまで確認してませんけど」

《あの⋯⋯お客様、大変申し上げづらいことなんですが、403 Forbiddenはアクセス拒否の意味でして⋯⋯恐らく、そのサイトはお客様だけがご覧になれない状況かと思われます》

「なんで私がそんなことされなくちゃいけないんですか?原因と理由を教えてください!」

《あの⋯⋯それはお客様とそのサイト運営者様との問題になりますので、弊社では対応は致しかねます》

「ちょっと!意味わかない!」

《ですから、お客様のスマホは正常に動作しております。サイト運営者の連絡先にお問い合わせ頂き、お客様ご自身で解決なさるようお願いします。弊社では対応は致しかねます。宜しいでしょうか?》

「宜しくない!」

 千夏は大声でがなり立てる。

 直後⋯⋯

 パシ☆

「痛っ!」

 千夏は後頭部を強く平手打ちされた。

「おい、うるせぇーぞ!明日も朝早い!はよ寝ろ!」

 後ろを振り向くと岩鉄が立っていた。

「ちょ、お父さん!ちょっと待って!今、電話会社に電話していたの!このスマホが壊れたみたいなの!」

「はぁ?壊れてるスマホで通話できるかボケ!」

《お客様?もしもし?お電話切らせてもらいますね!ガチャ☆ツーツー》

 岩鉄は千夏の胸倉を掴み、2~3発ほど頭突きをして気絶させると、背負い投げでもするかのようにベットに叩きつけ、そのまま寝かしつけた。

「たくっ、このバカ娘が!」

 パチン☆

 部屋の明かりも消された。

「ねぇ~あなた!今ものすごい音しましたけど⋯⋯家壊さないでくださいね」

「あーすまん、千夏がうるさいんで黙らせただけだ」

 こうして⋯⋯

 巨大掲示板「たらばがに」オカルト板での誹謗中傷がピタリと止まった。