第17話 う~ん、この山荘

投稿日 2023.07.04 更新日 2023.07.04

前の晩における
閻魔大王との詳しい電話のやり取り内容はこうだ
地獄的にデスタウンでの国同士の揉め事、内乱には関与したくない
でも、可愛い子ちゃんは欲しい!!
なので、こっそり酒酒天子を地獄に迎え入れると⋯
朝一番にも自分の部下を迎えに遣わすから
それまで周囲にバレずに匿えとの指示を受けていたのだ
合言葉は「う~ん、この山荘いいな」だそうだ
   :
巡査の目が鋭くなる⋯
「奥に誰かいるの?」
「いや、なんだ。わははは、別荘地の子がバイトの応募に来ていてな」
「面接していたの?」
「そや!!採用面接をしていた最中や!!」
巡査は腕を組みながらA子の目をじっと見つめる
次の瞬間であった
「すみませーん!!誰かいませんかー!!」
フロントにスーツを来たビジネスマン風の中年の鬼がやって来ていた
泊り客だろうか?たまに地獄方面からの客もやって来る
「おっと、今日は忙しいわ。わははは。すまん、もうええか?」
「何かあったら連絡してね」
巡査はそう言い残すとその場を立ち去った
A子がフロントへ向かうと
地獄外務省の襟章をつけた中年の鬼が次に放った言葉は⋯
「う~ん、この山荘いいな」
「おおきに⋯奥におるで。で、どないする?」
中年の鬼は親指で外を指す
その先を見ると山荘前には一台の外ナンバー黒塗り高級車が止まっていた
自分の娘のパーカーだと言うものを手渡され
それを上から着させるよう指示された