タルパ戦争 File62 ポケットの中のタルパ戦争
一人の小学生女児がパソコンの前で目を輝かせていた⋯⋯
遠井穂都である。
「タルパ暴走⋯⋯」
彼女が見ていたものは巨大掲示板たらばがにオカルト板である。目下、木口のタルパ暴走の話題が持ちきりとなっていた。
「その話⋯⋯正直、どうだろうねぇ」
これに穂都のイマジナリーフレンドであるエシャロットが水を差す。
「でも、木口さんのダイブ界救出⋯⋯私も参加してみたい!」
「穂都がそう言うなら私も付き合うよ。ただ、妙なものを感じるんだ」
「妙なもの?」
「うん、それが具体的に何であるか今ははっきり言えないけど⋯⋯どうも、木口とやらのタルパ暴走⋯⋯何か裏があるような気がしてならないんだ」
「この事件の裏には別の何かが隠されている!?」
「う、うん。今ははっきり言えない⋯⋯だから、深入りは避けた方がいいような気がするんだ」
「⋯⋯」
少しだけ悩む穂都⋯⋯
そして、机から立ち上がるとこう言い放った。
「私はトットフォーよ!タルパ界隈のエルフ女王よ!放置できない!」
「そっか、穂都ならそう言うと思ったよ。わかった!やろう!今晩にも一緒にダイブするかい?」
「うん!しよう!しよう!私が木口さんを助けるわ!」
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浮島は下宿先で身支度を始めていた。
鞄の中に陰陽師の服装を入れる⋯⋯
「さてと、次はいくつか札を作っておくか。使うような事態にはならないと思うが⋯⋯万が一の備えは必要だ」
浮島はそう言うと、筆を取り札作りを始めた。
あの後、父から折り返しの電話が入り、とりあえずであるが⋯⋯詳しい状況を確認することができた。
兜海老なら浮島も知っていた。
「あの戦史マニアか⋯⋯なんでまたうちの神社を襲った?まぁ、いい。恐らく⋯⋯今回の件でも出張って来るだろう」
もう片方の手でもう片方の肩を揉む。
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更梨は高熱にうなされながらもベットから起き上がる。
「今、このチャンスを逃す訳にはいかない⋯⋯俺は浮島と木口を絶対に看破してやる!」
頭にアイスノンを巻き付けると、パソコンに向かい巨大掲示板たらばがにオカルト板へアクセスする。
「な、なんだ!この状況は!?」