タルパ戦争 File54 正真正銘の霊能者であるが故の定め
運命とは過酷なものである⋯⋯
霊能者であるが故の定めは過酷である。
特別な能力や才能のようなものを持って、この世に生まれて来た者は⋯⋯人生において、それが試練の火種と化すことが多いものだ。
浮島譲司は自衛官となり⋯⋯
更梨大祐は警察官となる⋯⋯
タルパ戦争以降もこの両者の戦いは続く。
浮島は陸上自衛隊対超常現象特殊作戦群の士官として、この日本を周辺敵対国の霊的攻撃から守ることになる。中国人民解放軍の心霊気功部隊とロシア連邦軍のスペツナズ超能力部隊と対峙する。
更梨は公安警察のマル自(自衛隊監視班)に所属して、実家が護国系神社であり、自衛隊内でオカルトチックな活動をしている様子を不審に思い、監視と情報収集のため、浮島を日夜追跡することとなる。
そんな未来があった⋯⋯
そして、いよいよ、明日の夜⋯⋯浮島の計画が実行に移される。
ネット上におけるタルパ界隈は⋯⋯
アホの極みと化していた。
スマホを手に口を開け呆然とする浮島⋯⋯そして、レゴからの思わぬ連絡⋯⋯
さらに、混乱に拍車がかかる事態が発生しようとしていた。
コンビニへ出かけた木口は、途中で気が変わり、店でペヤング特盛サイズを手にして、それをカゴに中に入れてしまったのだ。
これでデルタとのチャネリング、コンタクトが取れなくなる。
デルタは必死で木口に対して⋯⋯
日清焼きそばUFOの念を送り続けていたのだ。
もちろん、別に焼きそばである必要はなかった。たまたま、デルタがその日の昼食に食べていたものがUFOであったからだ⋯⋯
木口とのチャネリングを開くため、基準となるイメージに使用しただけに過ぎない。でも、デルタは日頃からUFO派で、きのこの山とたけのこの里との熾烈な争いを彷彿とさせるくらい⋯⋯
ペヤングに対する憎悪の気持ちは強かった。
タルパ戦争の裏で⋯⋯
ペヤング派のB子がタイムマシンのある機能を使って、デルタとの宇宙戦争を始める。
あの後、トゥコ・サマン博士は首をねん挫して入院した。
B子は適当な言い訳をして、博士が気を失っていることをいい事に、軍の病院へ押し込んだ。
「これでこいつを使いたい放題や!」