タルパ戦争 File50 巨大UFO出現
木口は爆睡していた⋯⋯
ほら吹き霊能者のDMを読み、なんか気が遠くなり、強烈な眠気に襲われた。
本当に⋯⋯
もう、どうでも良くなっていた。
やはり、明日は零の言う通り、適当にやろうか⋯⋯
そう思い始めていた。
そして、こんな夢を見ていた。
そこは、フランスかドイツか⋯⋯欧州の平原を思わせる場所だった。あたり一面、麦畑が広がっていた。
どこか懐かしい感じのする光景に思えた。
「僕は前世で⋯⋯こう言う場所で暮らしていたのかもしれない」
空は青く澄み渡り⋯⋯
やさしく心地良い風が吹き、麦畑が波打つ⋯⋯
しばらく、道を歩いていたら、麦畑の中に大きな穴のようなものができている場所があることに気づいた。
「あれは⋯⋯もしや、ミステリーサークル!?」
木口は強い好奇心に駆られ、その場へ走るように向かう。
やはりである⋯⋯巨大なUFO着陸痕だった。
次の瞬間である⋯⋯
巨大な影に覆われている事に気づく木口。ふと、真上を見上げると⋯⋯そこには巨大なUFOが滞空していた。
驚く木口⋯⋯
しかし、それは見覚えのあるものだった。側面には「日清食品」と表記されていた。そう⋯⋯木口が見ているものはアレだった。
「一体、どのくらいのお湯が必要なんだろう?」
ぽかんと口を開け、アレを見つめ続ける木口⋯⋯
すると、アレから人間の声らしき音声が聞こえて来た。
《木口ぃ!木口ぃ!あなたを救済しにやって来ました!私の名はデルタ⋯⋯》
「まさか⋯⋯宇宙神軍???」
木口は驚きと言うか⋯⋯強い胸騒ぎに襲われ、目が覚めた。
「なんだ⋯⋯今の夢は???」
寝汗でぐっしょりだった。
心地良い夢見だったと思いきや⋯⋯まぁ、夢の世界はいつだって唐突だ。
直後、お腹が鳴る。
「流石に減量はきついな⋯⋯もう、がまんできない。アレがなんだか霧消に食べたくなったな⋯⋯」
木口はベットから起き上がると外出着に着替え、明美たちの騒ぎを他所に、コンビニへアレを買いに出かけた。
しかし、自宅近くのコンビニに⋯⋯
思いもよらぬ事実が隠されていたことをまだ知る由もなかったのであった。