タルパ戦争 File26 無人偵察機

投稿日 2024.06.11 更新日 2024.06.16

 今から十数年後の世界⋯⋯

 厳密には⋯⋯

 タルパ戦争に魅了された、とある占い師の作ったダイブ界でのお話。

「うんしょ、よいしょ」

 遠隔コントロールシステムを操作する一人の幼女がいた。まるで⋯⋯無人偵察機、グローバルホークでも操縦しているかの様子だった。

「B子中佐!そろそろ制限時間です!」

「せやな!そろそろ時間やな⋯⋯撤収の準備を始める。てか、これ⋯⋯操縦が難しいな。もっと改良できんのか?」

「今はその分析も兼ねた運用ですよ。少し我慢してください」

「そっか、そうだったな」

 そう⋯⋯

 ここはガトー公国。

 ガトー公国国防省の一室に設けられた⋯⋯無人偵察機のオペレーションルームだった。

 しかし、B子はただの無人偵察機を操縦していた訳ではなかった。

「てっちんのタルパ戦争に対する思いは強いのだ!徹底的に調査するのだ!」

 B子はそう活きる。

「博士、見ろ⋯⋯あいつ、拍子抜けした表情しとる」

「B子中佐!今すぐにテレポート操作して、彼の目の前から機体を隠してください!やばい!こっちを見てる!目撃されている!」

「なら、前の日に同じことしたで」

「えっ?」

「目の前でジグザクに飛んで見せて驚かせてやったわ!」

「ダメですよ!見せびらかしちゃ!」

「別にこのくらい問題ないやろ。どうせUFOか何かと思ってるやろ」

「でも⋯⋯」

「まさか10年後のトトバースから飛来して来ている無人偵察機とは思わんやろ。サマン博士はホンマ真面目やな」

 そう⋯⋯

 B子が操縦していた無人偵察機はタイムマシンでもあったのだ。

 そして、B子と会話していたのは⋯⋯

 民間軍事企業ティグアラーシーテクノロジーズの技術者で、B子が操縦している無人偵察機を開発したトゥコ・サマン博士だった。

 今、タルパ戦争の真相を確かめるべく⋯⋯

 タルパ戦争が起きた年、10数年前の現実世界に無人偵察機を送り込み、情報収集活動を行っていたのだ。

 サマン博士はあごに手を当て、考え事をする⋯⋯

「試験的に金だらい2個飛ばしたが⋯⋯操縦電波のアップリンクを利用した量子分解/量子結合による物質搬送も行えるようだな」