タルパ戦争 File22 兄と妹の怪しい関係

投稿日 2024.06.09 更新日 2024.06.09

 木口は日がな週末を自宅で過ごしていた。

 リビングでソファに座り、デーゲームのテレビ中継を漫然と見つめ観戦していた。時折、缶ビールに口を付けては、溜息を繰り返す⋯⋯

 今週末は⋯⋯

 急遽、木口の自宅に住み着いている座敷わらしを調査するため、浮島が訪問して来たのだが⋯⋯

 家庭内の思わぬ裏事情まで看破されてしまった。

 浮島は親友であり、口の堅い男なので心配は無用であるが⋯⋯理解を示された事が逆に心苦しく覚えた。

 木口は、実の妹と⋯⋯いや、なんでもない。

 それにしても⋯⋯

 本当になぜ、座敷わらしなのか疑問は深まるばかりだった。スマホを手に取り、たらばがにのオカルト板をチェックする。

 その時、浮島からのメール着信に気づいた。

「浮島さん⋯⋯なるほど、今週末は京都の実家で過ごすんだ⋯⋯」

 さらにその直後である⋯⋯

 突然、電話が着信する。電話番号を見ると+1、米国からのものだった。

「なんだろう、親父からかな?はい、もしもし?」

《お兄ちゃん?元気?》

「⋯⋯なんだ、明美か⋯⋯どうした?そっちは深夜だろう?」

《週末はいつも夜更かししてるよ》

「父さんと母さん、元気か?」

《元気だよ。ところで、今週末⋯⋯誰かそっちの家にやって来た?》

「⋯⋯な、なんだ急に?」

《女の人じゃないよね?》

「違う!大学のサークル仲間だ!俺の親友だ!」

《やっぱり⋯⋯誰か来たのね。赤い着物を着た子⋯⋯絶対に手を出さないね》

「なっ!?それは一体どういう意味だ!」

《お兄ちゃん⋯⋯いつから霊能力に目覚めたの?》

「なっ!?なんで⋯⋯なんで、そんなことが分かる!?お前??」

《私はずっとお兄ちゃんのことを見てますからね》

「大学に入学してから⋯⋯霊能力を持った先輩の指南で⋯⋯開花した。お前は霊能者だったのか?」

《正確には超能力者かも⋯⋯サイコキネシスによる物理干渉も可能よ》

「ずっと隠していたのか⋯⋯」

《今後は私を甘くみないことね。お兄ちゃんより強いかも。じゃ》

 ガチャ☆ツーツー

 妹からの突然の国際電話であった⋯⋯心変わりしていただろうと考えていたが⋯⋯その考えは甘かった。