Episode 08 エルフの神殿を破壊するエルフ
10分後、エルフの大神殿前に一台のハイエースが止まる。
これに気づいた衛兵が近寄る⋯⋯
「ここは駐車禁止です!今すぐ移動してください!」
ガラ☆
ハイエースの側面ドアが開かれると、キンカがRPGを担いで出て来た。助手席ドアや後方からはAK-47を持った男たちが次々と出て来た。
衛兵は頭が真っ白になり、その場合で硬直する。
キンカはRPGを衛兵の顔に向けると、こう言い放った⋯⋯
「おい、1200歳のクソBBA(マーヤ)とフォー様はどこだ?」
どうでもいい話であるが⋯⋯
イワナ・マーヤは見た目年齢30代、超絶美人である。
腰を抜かして地面の上でへたる者に構っている時間はない。キンカは神殿正面入口に向けてRPGを発射した。
「フォーちゃん⋯⋯私の可愛い愛弟子、フォーちゃん⋯⋯ごめんね」
マーヤは泣きながら神殿正面入口に向けて歩いていた。
ちゅ☆どーーーーん!!
目の前で大きな爆発がすると同時に、扉がぶっ飛んで来て、マーヤが全身でそれを大の字で受け止める。
あまりにも突発的な出来事であったため、マーヤは頭が混乱してしまい、防御魔法でなく重力魔法を発動⋯⋯
何を思ったのか⋯⋯
自重を100倍ほどにして、200kgはあるだろう扉を全身でキャッチした。
幸い、その美貌に傷一つ付くことはなかったが⋯⋯マーヤは武蔵坊弁慶の最後の如く、立ったままの姿勢で気絶して意識を失った。
だがしかし、白目を向かせた状態で、見るには絶えなかった⋯⋯
キンカらが謁見の間に突入する。
「フォー様ぁああああ!!」
絶叫するキンカ⋯⋯
腰裏のホルダーから拳銃を抜くと、室内の隅に置かれていたマジックキャンセラーに向けて発砲して破壊した。
そして、急いで治癒魔法を発動した⋯⋯
「フォー様!!」
キンカは全身全霊でトットフォーに治癒魔法を施す。
「おえっ」
トットフォーは意識を取り戻し、その日の昼に食べたラーメンを吐き出す。
「キンカ⋯⋯助けに来てくれたのね。ありがとう!!」
「顔にナルトが付いてますよ。これで拭いてください」
キンカはトットフォーにハンカチを差し出す。