タルパ戦争 File11 イマジナリーフレンドとの邂逅

投稿日 2024.04.16 更新日 2024.04.16

 零は中学生くらいの年齢をした容姿端麗な美少年だった⋯⋯

 しかし、これは木口の趣味ではない。

 木口には幼い頃にイマジナリーフレンドがいたのだ。小学校に上がる頃までには、いつの間にか消えてしまっていた。

 嬉しい時も悲しい時も同じ時を過ごした。

 零は木口が自身の遠い記憶を辿り⋯⋯浮島の指南によりダイブ界で復元された存在、そう、変遷型タルパとしての一面も持っていた。

 ただ、自分と同じくらいの歳であったのだが、時の流れの影響だろうか⋯⋯中学生のくらいの姿で現れた。

 当時の姿のままでの邂逅となるだろう。

 木口はそう考えていたが⋯⋯

 タルパ作りは想定通りに行くことはまずない。

 所望していた条件の半分も満たされれば良い方だろう。兎にも角にも、零は木口にとって⋯⋯かけがえのない心の友だ。

 絶対に失いたくない。

 しかし⋯⋯

「あっ、そうだ⋯⋯零。その赤い着物を着た女の子さぁ。どんな感じ?」

「えっ、まぁ、可愛い子だよ。愛くるしいよ」

「そっか⋯⋯中学生と高学年の子なら年齢的につり合いが取れるよね?」

「えっ、マスター。それ、どういう意味?」

「零がその子をお嫁さんに貰えば、すべて話が丸く収まる」

「え、ええ!」

 浮島は⋯⋯

 口を開け、きょとんとした表情で二人の会話を聞いていた。そして、直後にクスクスと笑い出した。

「それは良い考えだね。零君、どうだい?」

 零は赤面してその場から姿を消して、木口の意識の中へ戻って行った。

 しかし⋯⋯

 この時の木口の何気ない提案が⋯⋯

 後の起こるであろうタルパ戦争の要となるのであった。

「ところで、話は変わるけど⋯⋯法政大学の更梨君って知ってる?」

「噂には聞いたことあります。たしか、オカルト雑誌モーでも紹介されていたオカルト研究家ですよね?」

「彼は僕たちの計画の大きな障害要因になるかもしれない」

 浮島が懸念していた⋯⋯

 事前に下調べをしておく必要のあるものとは⋯⋯

 法政大学の更梨のことだった。

 噂では⋯⋯

 良く言えば慎重な人物と言えるが、猜疑心からのものに近いとも思える、冷淡な観察眼を持つ男としても知られていた。