第15話 死後の世界

投稿日 2023.12.17 更新日 2023.12.17

 夕菜は父の話を聞いて、このように考えた⋯⋯

 人間は死に向かうと、時間が徐々に伸びて行き、最終的に無限大になるのではないか?そして、永遠に続く夢が、死後の世界になるのだと確信した。

 神妙な面持ちになっていた夕菜を見て、夕菜の父は少し変な話をし過ぎたと察し、急に話題を変えた。

 そう、夕菜の進路についてである⋯⋯

 夕菜は意表を突かれたかのような状態となり困惑した。

 とりあえず、気に入った服を買ってもらえたし、ここは我慢して父の話に付き合うことにした。

 その日の晩、夕菜は再びゴンへDMを送る。

 昼間、自分の父から聞かされた話と、それにより考え付いた持論のようなものについてである。

 人間は死ぬと⋯⋯

 本当にどうなるのか?についてである。

 数分としないうちに返信が送られて来た。しかし、その内容は心外であり驚かされるものだった。

 夕菜に希死念慮があるのではないか心配するものだった。

「私はまだ死にたくないわ」

 その後、ゴンと何通かやりとり、意見を交換する。

 タルパ界隈は訳ありな人が多く⋯⋯実際、〇殺騒動を起こした者もいたとの話だった。とりあえず、互いの誤解が解け、ゴンの取り越し苦労と言うことで話が落ち着いた。後は互いに他愛のない雑談をして終了した。

 それにしても⋯⋯

 タルパ界隈と言うところは⋯⋯非常にセンシティブな場所だと改めて実感した。明日こそ占い館へ行こうと決め、早々と就寝することにした。

 そして、再び⋯⋯

 夕菜は前の晩と同じ夢を見た。

 どこか遠い宇宙にある地球によく似た星で、今度は地上に降りて⋯⋯断崖絶壁に囲まれた島のような場所にいた。

 今度はそのまま明晰夢状態へ移行した。

「昨日と同じ星にいる⋯⋯」

 夕菜は切り立った断崖の淵に立ち、海を眺めていた⋯⋯

 次の瞬間、後ろの茂みで何かが潜んでいる音がした。驚いて振り向くと、ウサギの耳のようなものが、茂みから飛び出ているのを目撃した。

「えっ!ぽ、ポンスケ!?」

 しかし、すぐに茂みの中へ耳を引っ込ませ奥へ逃げ込んだ。夕菜は茂みの中へ入り、必死にポンスケを探した。

「逃げないで!ポンスケ!」

 が、そこで目が覚めた。