第22話 ユセリア
投稿日 2023.07.08 更新日 2023.07.08
岩凪は自室へ戻るとベットの上に横たわった
彼はナイーブな性格であったため
幼少期から小学校までの間はよくいじめられていた
そのため、彼は大人になった今でも⋯
いや、もう死んで霊界、デスタウンにいる今でも笑うことがない
まったくと言ってよい程にだ
笑わないことには絶対の自信があったのだ
枕カバーの美少女とチョメチョメする際も笑わない
そんな過去のトラウマが役に立つ日がやって来ることになろうとは⋯
今、この瞬間まで思いも寄らなかった
「冷静に考えて見たら自分にぴったりじゃないか!!」
岩凪は決意した
とりあえず、室内に置かれていたデスタウンのガイドブックを見て
ユセリアまでの行き方を調べてみることにした
しかし、実に奇妙なことが判明した⋯
ピータンとユセリアの間に空路は一本も開設されておらず
陸路に頼る以外方法がない様子だ
また、ある疑問も同時に沸き起こって来た
「そう言えば⋯なんで市内にユセリアの大使館はなかったんだろう?」
運幸大連峰を越えたちょうど向こう側⋯
とりあえず、ピータンとユセリアの国境沿いに
ユセリア移民受入センターなるものがあることを確認した
一本の高速道路で結ばれており
長距離バスで5時間程で行ける距離にはあった
迷う岩凪⋯
「もう少し調べた方がいいかな?」
ピータンの夜は静寂に包まれる
外も静けさが増し黙考するにはよい雰囲気でもあった
しかし、次の瞬間⋯
爆発音のような大きな音が轟いた