第01話 ある薬学生の来訪

ピータン王国―
西のユセリア社会主義共和国連邦
東は恒華と
二つの超大国の間に挟まれるように位置する
永世中立国である
とても小さな山岳国家で
トトバース最高峰となるヘベレケストを主峰とする
運幸大連峰のある国だ
首都は人口10万人程度の小規模な街
シャンプー
本当に小さな国であるが
決して大国の間で翻弄している訳でもない
世界中から富裕層が集まり暮らす金満国でもある
プライベートバンクも充実しており
政財界の子弟育成を目的とした学校もたくさんあった
もちろん軍事力も半端ない
その一方で⋯
三途の川へ向かって旅する死者が
最後に通過するポイントともなっていた
この世とあの世の中間世界⋯デスタウン、トトバースでは
ピータン王国があの世への入口も兼ねているのだ
そして⋯今日もまた一人
三途の川を渡るためにピータン王国にやって来た
なんか
訳ありそうな表情をした
たぶん⋯前世は学生だったのだろうか
そんな感じのする青年が凸や荘にやってきた
「すみませーん！！誰かいませんか？」
「おう！！すまんすまん！！今晩泊まりか？」
奥の事務室で帳簿の整理をしていたＡ子が早足で出て来る